チョコレート
チョコレートが大好きです。
カカオを主原料とするので似かよったものになりがちなはずが、多様なフレーバーとの組み合わせができ、さらに繊細な温度調整を必要とするため、「プロの味」が確実にあること。
パキンと割ってみんなでシェアしても、高級ボンボンをひとりで味わってもいいところ。
とろっととろけて、誰もを幸せな気持ちにしてくれること。
健康効果も最近は注目されていますよね。リラックス効果や大脳皮質を刺激する効果のあるテオブロミン、抗酸化作用のあるポリフェノールは、カカオ豆の苦味のもとです。生活習慣病の予防にもいいとされ、古代ではカカオ豆が薬として扱われ、貨幣の価値もあったそうです。
ここでワンポイントアドバイス。
基本的にチョコレートは、冷蔵庫に入れてはいけません!(クリーム入りなど、要冷蔵のものは除く)チョコレートは口どけも重要な要素のひとつですよね。冷やしてしまうと、それが阻害されてしまいます。
テイスティングの時なども、手の甲に乗せて人肌にしてからしたりもするんです!(イギリスで習いました)
もちろん夏場は常温には置いておけないので、保存は冷蔵庫でして、食べる前に少し出しておくのがおすすめです。
豆知識コーナーへ移りましょう!
まずは、チョコレートの種類について。ホワイトチョコは白いやつ、ビターは苦いやつ…。というのは皆さまご存知のはず。では、ミルクチョコとスイートチョコは?どっちも甘そうですよね。苦い順に見ていきましょう。
まずは、ビターチョコレート。ブラックチョコと言われることも。これは乳成分が入っていません。カカオマス(カカオ豆の胚乳を粉砕したもの)が40〜60%です。
次に苦いのが、スイートチョコレート。乳成分が入っていませんが、砂糖は含まれています。製菓に用いられることが多いです。
次はミルクチョコレート。乳成分が含まれているので、甘さと口どけが特徴です。
最後に、ホワイトチョコレート。これにはカカオマスが入っていません。カカオバター(カカオ豆の油脂分。なんと豆全体の55%が油!)カカオバターは28℃から溶け始めます。ホワイトチョコが1番溶けやすいと思われますが、いつか実験してみたいと思います。
さて、最近チョコレート業界の流行りはBtoBですよね。
business to businessではありませんよ!bean to barです。ショコラティエがカカオ豆を厳選するところからショコラ作りをすることです。ピエールマルコリーニさんが有名ですね。
カカオ豆は生育環境や発酵の方法によって風味や品質が大きく異なります!
フルーティなもの、スパイシーなもの、お花の香りがするもの…そういった多様なカカオ豆を選び、自らの作品を作り上げるのです。
カカオ豆の種類を見てみましょう。有名な3種類です。
・クリオロ種
カリブ海沿岸地域。カカオ豆のうち1%以下しかとれないとのこと…!たまにクリオロチョコレート使用と書いてあるとテンションが上がります!ただし、純粋種はないとされているそうです。苦味や酸味が少ないので、カカオ豆らしい味や香りが楽しめることでしょう。
・フォラステロ種
ブラジル、ガーナ、コートジボワール、西アフリカ、東南アジア。全体の90%ほど。クリオロ種と反対に、渋みや苦味などが強いそうです。
・トリニタリオ種
コロンビア、マダガスカル、トリニダード・トバゴなど。全体の10%。クリオロ種とフォラステロ種の交配種なので、その配合によって特徴が違ってきます。
これからチョコレートを見かけた時には、気にしてみても面白いかもしれません。
チョコレートはとっても愛されていますが、100%幸せに満ちた食べ物とは言えません。カカオ農家の児童労働、低賃金労働は言うまでもありません。その割に、チョコレートは高額で、チョコレートを食べたこともない農家さんもいるとか…。もちろん、こういったご時世ですから、お菓子会社でもきちんと農園と提携して支援をしたり、フェアトレードのものも増えています。消費者としてはできるだけそういったものを選んでいきたいと思いますが、実際のことは分かりませんから…。まずは知ること。知って、チョコレートを楽しむことが第一歩ではないでしょうか。
プリンのおはなし
先日、プリン本舗さんの、侍のプリンをいただきました。
おっきかった…。とろっとしていて、たまごっぽさもあって、おぉ〜、プリン!という感じのプリンでした。おっきいけど飽きない。カラメルが他社のより苦め?なので、バランスが良かったです。
プリンがとっても好きです。
1番好きなのは、母が昔作ってくれていたプリンです。シンプルで、すが入りまくっていてとても売りには出せないようなものだけど、素朴でおいしいのです。
売ってるのだと、ちゃあんとガラス瓶などに入っている、卵と牛乳でできているのが好きです。ゼラチンが入っているのは…、「こんなんゼリーやんけ」とか言いながらおいしく食べます。たまーに、プッチンプリンとか無性に食べたくなる時ありますよね。
コストコで買った大容量プリン。すっごく幸せだったけど、辛かった…。
さて、プリンのお話。
上記のプリンたちは、カスタードプリンという部類になります。甘い茶碗蒸しですね。
以前、凝固剤については載せたような気がしますが、プリンにおいては卵の熱凝固性がこの役割を果たします。
卵はたんぱく質の塊ですが、卵白と卵黄ではその性質が異なるため、違う温度で凝固します。例えば完全に凝固する温度は、卵白で80℃、卵黄で65〜70℃です。また、ここに砂糖を加えることでたんぱく質の凝固が遅れるので、その量によって食感を変えることができます。
この熱凝固性は、お菓子界だとクレームパティシエール(カスタードクリーム)にも利用されています。
そもそもプリンというのは、イギリスのプディングからきています。
その始まりは、15世紀半ば〜17世紀半ばに、パンくずや小麦粉、卵、牛脂などを混ぜて蒸し焼きにしたものと言われています。
なので、蒸し料理を指しているというイメージです。
最近は欧州の菓子が本当によく流れてくるので見かけた方もいらっしゃるかもしれませんが、イギリスのクリスマスといえばクリスマス・プディングですよね。ちょっとぶっきーな見た目の。調べたらBBCのfood recipesにもありました。たくさんのフルーツと、お酒、小麦粉、スパイス、卵、砂糖、バター等を混ぜ合わせて焼き上げるお菓子です。洋酒たっぷりで、燃えるらしいですよ、おもしろい。
あと!日本でもしばしば見かけるプディングといえば!パンプディング!
プリン液にパンを漬け込んで焼いた見た目グラタンみたいなお菓子です。その昔、ホテルのブッフェにパンプディングが出てめちゃくちゃ食べた記憶があります。おいしかったなぁ…。
寒い冬にももってこいですね、いつかのおやつにしようっと。
おまけで、全然お菓子じゃありませんが、ブラックプディングっていうのがあります。いかにも怪しげですが、本性はブラッドソーセージ。日本人からはマズイと不評の、豚の血が混ざっているソーセージ。なんだか書いていて寒気がしてきましたが、イギリスでは朝食に出るらしいです。怖い。
いろんなプディングがありました。おいしいプリンをたくさん食べて、プリンランキングを作りたい。
クリスマス
みなさま、素敵なクリスマスを過ごされたでしょうか。
わたしはクリスマスが大好きですが、特別嬉しいことはもちろんクリスマスケーキを食べられること。
今年はこれです
C3のショートケーキ。
北海道産クリームもスポンジもふわっふわで、間の苺とのバランスがとても良く、誰でも好きになるようなケーキでした。
もうひとつ。
グラマシーニューヨークの、グラマシーパーク(たぶん)です。
こちらはスポンジ生地がしっかりめで、4種類のフルーツがサンドされているものでした。洋梨、マンゴー、黄桃、オレンジなのでそれぞれ食感が異なり最後まで楽しめました。また、甘さもひかえめなのでこの大きさでもさらっと食べることができます。
ヨーロッパでは、こういう所謂ケーキではなく、各国の伝統的なクリスマススイーツを楽しみます。
最近日本でも有名なのは、ドイツのシュトーレンでしょうか。ナッツやドライフルーツ、スパイスの入ったパンのような菓子で、クリスマスの4週間前から一切れずつ切って食べながら当日を待ちます。周りにお砂糖がまぶされているので、産衣に包まれたキリストのような見た目とも言われています。
他には、イタリアのパネットーネ、オーストリア・ドイツのクグロフなどもパンみたいな、ドライフルーツたっぷりの菓子で有名です。
IKEAあたりで売ってないかなーって思うのが、ノルウェーのクランセカーケ。リング状のクッキーを積んでアイシングなどでデコレーションした菓子です。マカロンタワーみたいなイメージかな。
クッキーでは、ジンジャーブレッドやスペキュラース、フランスのプレデルのように、スパイスの効いたものが多いようです。
日本でもヨーロッパでも異なるクリスマスの楽しみ方があるので、ぜひいつかはヨーロッパでクリスマスを迎えてみたいです。
実はもう1台、お家にクリスマスケーキがあるのでまた更新します。みなさんのクリスマスケーキのご報告もお待ちしています。
ビスケット?クッキー?
先日、自由が丘へ行ってまいりました。
CHAPONのチョコレートが目的だったのですが、平日だったのでついでに朝からsouvenirへいって整理券をゲットし、スイーツブッフェもしてきました。
待ち時間に散策していたら、パリセヴェイユに出くわしまして。パティスリー・パリセヴェイユです。雰囲気が他とは違って、震えました。興奮しすぎて写真は撮り忘れました。焼菓子を購入したのでまた後日掲載しようと思います。
おうちに帰ってお財布を見たら、とってもびっくりしました。自由が丘でスリにでも遭ったかなぁ…。
さて、今日のトピックはbiscuit VS cookieです。なんでかって言うと…
自由が丘駅前にある、Ben's Cookiesさんです。こちらで、とってもおいしいクッキーを買いました。1枚270えん。
しっとりしていて、チョコたっぷりで、おいしかったです。原材料にもこだわっているようで、チョコもベルギー産とのこと。
で、びっくりしたのが、ここイギリスの会社なんですよ!わたしてっきりアメリカ産だと思ってました。パッケージ赤だし。しかもcookiesって言ってるし…。
そう、日本でよくクッキーと呼んでいるものは、イギリスではbiscuitなんです。小麦粉・砂糖・卵などからできた、サクサクしたあいつ。なのに、なぜこのクッキー屋さんはcookieと名乗っているんだ…。
調べてみました。ここから少し複雑なお話になります。
結論から言うと、cookieでした。イギリスでは、柔らかくてしっとりとしたものをcookieと言うらしいです。アメリカでは、柔らかいのも固くてザクザクしたのもcookieと言います。
通常、イギリスではbiscuit。アメリカではスコーンのようなもの(ケンタッキーで売ってるビスケットみたいなやつ)をbiscuitと言うそうです。ウェブスターの辞書で引くと、こんな風に出ています。
a small quick bread made from dough that has been rolled out and cut or dropped from a spoon
パン感…。
イギリスの方が歴史が長いわけですから、biscuitの言葉の方が古かろうと。biscuitはbis coctumというラテン語からきており、これは「二度焼く」という意味です。
ちなみににどやく、で2月28日は日本でビスケットの日になっているみたいです。同時に1855年のこの日には、水戸藩の柴田方庵が萩信之助に「パン・ビスコイト製法書」というビスケットのレシピを送ったという歴史もあるみたいです。誰だろう…。水戸藩はビスケットの保存性に着目していたようです。さすがだ〜。
cookieは、アメリカがオランダに植民地支配されていた時代にさかのぼり、koekjeという言葉が由来です。これは「小さいケーキ」が元の意味だそう。18世紀前半に伝来したみたいです。
イギリスかアメリカに行く機会があったら、biscuitかcookieか注目してみようと思います。イギリスでしっとりクッキーが食べたくなったらcookieを探すこと、ですね!余談ですがイギリスのスーパーでおっきなbiscuitが紙袋に入って売っていたのを思い出しました。
せっかくクッキー編ができたし、ヨーロッパ諸国のクッキー事情を次回は書こうかな。クリスマスといえばクッキーですものね。
マンゴープリン
先日、タイ料理屋さんでマンゴープリンを食べました。
タイ語ではプディングマムアング的な発音をするみたいです。
これはどこのマンゴーか分かりませんが、日本のマンゴー輸入ではタイは3位。1、2位はメキシコ、フィリピンです。タイ産のマンゴーだけで60種類ほどあるそう。そのうち日本に輸入されている数種類は、総じて甘いみたいです。
さて、マンゴープリンはたいへん美味しかったのですが、その時わたしはマンゴープリンの作り方を知りませんでした。ゼラチンか…?卵は使っているのか…?ということで、調べました。
マンゴープリンは、マンゴーピューレ、牛乳、生クリーム、練乳/エバミルク、ゼラチン/アガー、砂糖、水から主にできています。生クリームの分量を減らしてエバミルクを入れるとヘルシーみたいですね。エバミルクって無糖練乳なので。
ゼラチンとアガーはどちらも凝固剤ですが、ゼラチンは動物由来のコラーゲンからできているのに対し、アガーはカラギーナンやローカストビーンガムという海藻や種子でできています。ゼラチンはぷるっぷるだけど、アガーは寒天とゼラチンの中間くらいのぷるって感じ。最近流行りの水ゼリーはアガーで透明感を維持しています。余談ですが水ゼリーは試したことがないので、いつか名水とかでできたやつを食べてみたいです。
ちなみに凝固温度は、アガーと寒天は40℃前後、ゼラチンは20℃以下なので、ゼラチンだけは冷蔵の必要があります。溶ける温度もゼラチンだけ低く50〜60℃、アガーと寒天は90℃以上です。
また凝固剤を使うときの注意点として主なのは、
・パイナップルなど、タンパク質の分解酵素が含まれているものはゼラチンを固まりにくくするため、加熱してから使うか、寒天で固める
・寒天は離水しやすいため、糖分を加える
でしょうか…。
それぞれ性格があるので、用途に合わせてレシピ通りに作るのが1番ですね!
以上、マンゴープリンと凝固剤まとめでした。
タルト編その2
今日はタルト生地についてまとめます。
せっかく生地につい書くので(?)、わたしが作ったタルトのおすすめ作品をば。
いちごとマンゴーのタルトです。
今年の母の誕生日に作ったもの。腕はまだまだなので、パート・シュクレの切り口がギザギザ…。
フィリングは、クレーム・フランジパーヌ(カスタードとアーモンドクリームのミックス)、生クリームです。
タルト生地には、4つの種類があります。
1 パータ・ファンセ
2 パート・ブリゼ
3 パート・シュクレ
4 パート・サブレ
1 パータ・フォンセ
小麦粉、塩、バター、卵、水を用いてつくる生地で、甘くなくてしっかりしているのが特徴。キッシュにも合います。パータフォンセはフランス語でpate a foncer(アクサン記号なし)で、pateは上記の材料で作られた生地、aは'〜で'的な前置詞、foncerは焼き型の底に生地を薄くつめることらしいです。そのまんま。
2 パート・ブリゼ
パータ・フォンセよりほろほろした食感。なんでかって言うと、小麦粉とバターをすり合わせて作るから。このバターと小麦粉を砂状に合わせていくことを、サブラージュと言うらしいです。サブレが砂って意味だから。余談ですが、わたしはこの工程をイギリスのスコーン作り風にrub inと呼んでいました。
3 パート・シュクレ
前回登場したやつです。sucreeがフランス語で砂糖を意味する通り、お砂糖が入っていることが特徴です。また、水は使用せず卵だけでつなぎます。おかげでサクサクです。余った生地はクッキーにするのがとてもおすすめ。砂糖が入るとメイラード反応が起こり、焼き色が綺麗になります。
4 パート・サブレ
サブレは先述の通り砂です。日本でサブレっていうとあのクッキーみたいなやつですかね。まさにその生地です。パート・シュクレに近いですが、バターと卵の量が多くてさっくさくだそう。バター多めだとなんでもおいしそうに感じますね。カロリー高くなるけど。
ちなみに、焼き方もフィリングによって3種類あります。
1 共焼き
フィリングにじっくり火を通す必要があるときは、タルト型にフィリングを入れてから焼きます。
2 空焼き
フィリングがガナッシュや生クリームなど、火を通さないもののときは、タルト型のみを焼きます。
3 別焼き
紹介したタルトがこのタイプ。空焼きしたタルト型にフィリングを詰めてもう一度焼きます。アーモンドクリームとかはそんなに火を通さなくていいので。
タルト生地を空焼きするときは、ピケ(焼く前に穴あける)とパイ用の重石を敷くのがポイントです。
以上、いろんなタルト生地でした。